大河内 敦の裏blog

広告会社に勤める一級建築士のPC自作日記

真空管アンプ製作-買った本など(3)

最後に、最も実際の製作に必要なスキル "ハンダづけ" "テスターの使用法" といった具体的な手の技術についての本だ。

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10万円以上の出費で購入するキットだ。絶対失敗したくないし、出来るだけ完成度の高いものにしたい。

その際に一番最初に立ちはだかるのがハンダ付けのスキルである。事前にネットやYoutubeでハンダ付けのコツについての関連情報を見たり読んだりしていた。普段ちょっとした電気機器の修理なんかでハンダ付けする際には、単純にハンダをコテで溶かして練りつけるように接着させていたが、これは間違いで、実際は先にコテで母材を十分暖めてから、その上にハンダを載せ、溶け拡がったところでコテを離すのが正しい。また、その正しいハンダ付けを行うには、ハンダごてを購入した際に多くの場合標準装備されているニードル型にとんがったこて先は、実は使い勝手が良くない、むしろ、ノミの先のように平べったいものの方が、母材に熱を伝えるにも、ハンダを溶かすにも表面積が大きくて向いている。 ~ 58年生きてきて、この事実を初めて知った。
で、「はんだ付けの職人技」である。この本ではさらに実際のハンダ付けに踏み込み、ハンダを取り付ける前に基板に部品を仮固定する方法、ハンダが冷却した後極力接合部に内部応力を残さない(残ると事後のクラック発生~接触不良の原因になる。)コツまでがカラー写真で丁寧に解説されている。あと、実際のハンダ付けする際に、右手にハンダ付けヒーター、左手にハンダを持つわけだが、いざ作業にとりかかると基盤を持つ手が欲しくなる。実際の手は二本しかないので、基盤を固定する台なりスタンドなりがあった方がいい・・・とか。ハンダ付け初心者に、この本はおすすめだと思う。実際の作業がイメージできる。

「テスターの職人技」の方は、テスターを購入しても、そもそも使い方が分かっていない。この本は、先ず、1940年代~のアナログ時代のビンテージテスターと、現在の一般的なデジタルなテスターのつくりからはいり、各部の名称と機能から入る。テスターというのはわたしが思っている以上に国際標準化が進んだ機器であるらしく、ロータリースイッチについているピクトサインもほぼ年代を問わず統一されている。これは、電気工事や工作に携わる人にとっては常識だと思われるが、初心者のわたしにはここから勉強しなければならない。こちちらの本はまず、これら基本的な操作方法をマスターと、作業を開始した後の配線チェックの際のリファレンスに使いたいと思う。

いずれにしても、このシリーズはビジュアルが豊富で、詳解内容が具体的にイメージ出来る。わたしのような初心者向にはいいと思う。

真空管アンプ製作-買った本など(2)

つぎに、電気回路図、配線、などの実際の製作と真空管のお話を書いた本。

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「はじめての真空管アンプ」の方は、「そもそも電気とは」「交流・直流・整流」「真空管の仕組み」・・・などなど中学の時に技術家庭や理科Ⅰ分野で習った様な話から始まる。電気についてまじめにイチから勉強・おさらいするにはいい本だ。ただし、絶版。わたしは運良く神戸の大型書店で売れ残っているのを見つけ、買うことが出来た。

「作って楽しむ真空管オーディオアンプ」の方は、実際の真空管アンプの製作にフォーカスした本で、筐体のアルミケースを一から作る際の手順や穴開けのコツまで詳解してくれている。(わたしはここまで出来ないが。)
あと、この本のいいところは、回路図とその回路図をイラストで描き起こし併載してくれている事だ。抽象度の高い回路図を見て、実際の配線をまだまだイメージできない自分にとっては、ありがたい。

真空管アンプ製作-買った本など(1)

先ずは、真空管アンプ一般についてだ。真空管アンプというもののイメージや最新状況へを自分なりにつかむことから始めた。

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最近の真空管アンプは当たり前の様に「ハイレゾ対応」のマークが入っているのには驚いた。一般的に真空管アンプと聞くと想像する音より結構歯切れのいい音がするのかもしれない。

真空管アンプ製作-事前勉強開始

本来建築専攻なので「理系」なのだが、建築系と電気・電子・電波といったエレクトロニクス系の大きな違いは取り扱う対象が「目に見えるか見えないか」。 ~ で、目に見えない方のエレクトロニクス系はいきおい抽象度が高い。中学の技術家庭の授業で電波を発生させる仕組みが、鉄塔のてっぺんと地面に交互に電圧をかけ電流を流すと、その周波数にあった電波が発生し、遠くに届く。その電波を同じくアンテナで受けて電波が発生したときと逆の事をすると周波数の電流が再現される、と言うものだったと思うが、目に見えないのでなんか捉えどころがなく理解できたカンジがしなかった。回路図や計算といったテスト問題は、ある種のルールに乗っ取れば解けるのだが、なんだか解った気がしなかった。

で、そんな中学2年から44年、わたしは今真空管アンプの組み立てキットにトライしようとしている。自作アンプというよりアッセンブリーされた組み立てキットなので、「自作」というにはおこがましいが、いい機会である。もういちど整流や増幅の仕組み、回路図の理解、ついでにハンダづけのテクニック、等々を学び直してみようと考えた。で、例によって本を読む。

年の初めの、MCカートリッジ。音出し。

で、レコード洗浄の次は、MCカートリッジだ。今回のMARANTZのアンプはMCカートリッジ用フォノイコライザー装備である。さすがピュアオーディオ仕様。
この日のために、アマゾンで安めのものを購入してあった。

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箱を開けてみると、その針の繊細さに驚く。普段使いのヘビーデューティSHUREのMMカートリッジが無骨に見えるほどだ。

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聴いてみるとプチプチ音が劇的に減少。あっても音がものすごく小さくなった。

で、肝心の音の方は、このアルバム、当時の音作りの流行だったのか、沢田研二さんのボーカルがエコーがかかっていて、よく響きはするもののあまりクリアに聞こえてこない。ただ、ピアノなんかは澄んだ高音を聞かせてくれる。昔のステレオで聴いてた音なんかと比べると、特に高音がクリアでアナログ特有のモコモコ感はない。今度はもう少しシンプルなトリオのジャズなんかを聴いてみよう。

年の初めの、レコード洗浄。

せっかくオーディオシステムをリニューアルしたので、小学校時代から今まで購入したアナログレコード約300枚をチャンとした状態で聴き直してみるすることを思いつく。多分、今まで聴き取れてなかった音まで聴き取れるハズだ。で、今回さらに行ったのがレコード洗浄とMCカートリッジの導入。昨年末からゆるゆる準備を進めていたが、部屋をオーディオ用に模様替えをし終わったこのタイミングでトライしてみることにした。

レコード洗浄は、以前にアナログファンの先輩から教えてもらった濡れガーゼでの拭き取り掃除というのを時々やっていた(これだけでも、かなりのノイズ解消が可能)だ。が、今回導入したのは、前から気になってた超音波洗浄機である。細かい溝の奥に溜まったチリ・ホコリを振動で何処まで剥がし取ってくれるか。

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先ず、今年最初に聴きたいレコードを選ぶ。個人的にも思い出深い沢田研二の" TOKIO"にした。

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水洗い時にレーベルを守る"レーベルカバー"を取り付ける。

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洗浄機に水を貯めてヒーターを入れる。取説の推奨温度は40℃~だが、アナログレコード=ビニールであるから25℃に設定。また、1時間以上の連続運転はNGらしい。容器的にはレコードが半分弱しか水没してくれないので、90°づつ回転させながらそれぞれ10分づつ、計40分の洗浄を試みる。結構大きく"ビ~ン"というノイズが発生(超音波なんだから当たり前か)。しばらくするとレコード表面にアワが発生してくる。それにあわせて水中に細かいチリがプカプカ漂い始めた。もっと出るかと思っていたが、考えてみたらこのチリ一つ一つがノイズを発生させるわけで、びっくりするほど出るようならそもそも鑑賞の用に耐えられない。逆に戦前のモノラル版で、カビが生えてるみたいなのを洗うとすごい変化をするかもしれない・・・持ってないけど。

洗浄を終わって、いつも通り濡れガーゼで拭き取り、部屋で干す。さて、音はどうなるかな???

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ルームチューニングに取り組む。

年末に休日出勤が続いたもので、年明け少し長く正月休みを取ることにした、が、予定していた真空管アンプの製作には取り組めない。で、こういうまとまった時間があるときにしか出来ない部屋の「模様替え」 ~ 「ルームチューニング」に取り組んでみることに。今のスピーカーの置き方はどうにも不格好である。

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また、オーディオシステムのポテンシャルを引き出せているとも思えない。
部屋の中のモロモロのものをいったん廊下に出し、2日ほどかけてレイアウトし直す。一応想定しているの完成形は、まず、スピーカーを今の場所のままで本棚だけを移動して床からスタンドで立てることなのだか、そのプロセスで他の置き方も試してみた。

まず、部屋の長辺と短辺のうち、短辺の方に置く方法~後ろの壁が長辺分遠くなるからか、キレ良くノビノビと音がスピーカーから飛び出していく印象。

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悪くない。将来、もう少し部屋の中のものが大々的に整理できたら積極的に検討したいくらい。ただ、左右の壁の反射が気になるし(我が家は、残響が多くなりがちな2×4工法なのだ)、スピーカーがあまり左右に拡げられないのが残念。

次にコーナーを挟んで直角に置く方法~これも音にパンチが出て、有るにはありだと思うのだが、音が混ざる印象。

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角を使ったルームチューニングは面白いかもしれないが、手間取りそうである。

で、今回の本命、部屋の長辺に置く方法。左右のスピーカーの間にレコードラックとアンプその他を置く。スピーカーの間にものを置かない方がいいという意見もあるが、やはり普通の家庭でのレイアウトでは、この置き方が生活導線を乱さずしっくりスマートに収まる。

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音も、中途半端に本棚の上に載せていた時と比べるとクリアに、また、軽かったりブーミーになったりして気になっていた低音もタイトにしっかり出るようになった。問題は短辺に置くときと比べ、スピーカーの対面の壁との距離が短くなるため、なんか反射音が大きく残響で音のキレが悪くなるような・・・。壁に大きなタオル(普段、オーディオ機器のカバーに使っている。)を掛けて、反射を押さえてみたりする。

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いずれにしても模様替え前とは格段の進歩である。微調整しながら基本このレイアウトで追い込んでいこう。