リモコンが効かないので。
私が使っているTRIODEのプリアンプ・TRK―1用リモコンが、現在の在庫限りで販売終了になるらしい。
実はこのリモコン、リモコンなのに税別で一万円もしたので買うのを躊躇していたのだが、販売終了となるとやはりあった方が便利かなと思い直し、ネットで購入した。
ずっしり重いヘアラインのアルミボディが高級感を醸し出す。ボタンはVOLの+とー、MUTEの3つのみ。う~ん、なかなか、と思いながら早速電池を入れて操作するが、TRK―1 は全然反応してくれない。リモコンが悪いのか、TRK―1が悪いのか。この二台、購入店が一緒ならそのまま二つともお店に持ち込んで動作チェック、悪い方を修理してもらうのだが、残念ながら別々のお店での購入だ。ひとまず、リモコンを購入した方のネットショップに報告・相談メールを入れるとリモコンが動作しているかどうかをチェックする方法を連絡してきてくれた。→ https://www.buffalo.jp/support/faq/detail/14968.html
教えてもらった通り、リモコンのボタンを、押したり離したりして発光部をiPhoneで撮影する、が、発光している様に感じられない。
試しに、普段よく使っているBlu―layレコーダーのリモコンでも試してみるが、こちらは光が感じられた。
写真付で再度ネットショップに報告メールすると、新品と交換してくれた。しかし動いてくれない。しょうがないので「購入店が別々なのだが、どうすればいいか?」と、TRIODEさんにメールした。
現時点のオーディオ環境まとめ 浮かせて、浮かせて。
あと、今回のオーディオシステムを作り上げるのに意識したことは「浮かせる」こと。これスピーカーがら出た音の振動による再生機器への影響を排除するためだ。
■ まず、Ref-10。
クロックジェネレーターの心臓部は水晶の様な振動子だ。スピーカーの振動の影響があっていい訳がない、と、思い、インシュレーターを噛ましている。これは、正直効果の程はよくわからない。
■ 次に、真空管アンプ。
真空管内のカソードとプレートの間には薄い金属グリットがあり、これに掛ける電圧を音声信号にあわせて変化させ、電子の流れる量を制御することで音声を再生している。これらの細かく薄い部品が、外部の振動の影響を受けていいはずがない、と、思い、これにもインシュレーターを噛ませた。ワンセット2,000円もしないインシュレーターだが、やはり今までは振動の影響でノイズが混入していたのか、こちらは目に見えて音の透明感が増した。
■ 最後は、アナログプレーヤー。
アナログプレーヤーは、振動を遮断しないといけないのは言うまでもない。何といっても、カバーを着けるつけないでも音が変わる機器なのだ。使用しているのは、ウェルフボードと言う吊り構造の内包したオーディオボード。音の透明感が増すのは、こちらもおなじ。設置後に水平を取るための微調整も可能だ。
PCオーディオ 現時点のオーディオ環境・まとめ
10kHzのリファレンス・クロック・ジェネレーター MUTEC Ref-10を導入したことで、わたしのやりたかったオーディオのシステムアップはほぼ完成した。ここらで一度現在のシステムをまとめておきたいと思う。
システムは、再生ソフトウェアとしてJRiver、JPLAY、foober2000などが格納された自作PCから、大きく3つのユニットに分かれている。
・クロック・ジェネレーターを中核にした ”MAIN UNIT”
・TRIODEの真空管アンプを中心にした、”TUBE UNIT”
・デスクトップで作業中に、BGMやラジオを楽しむための ”CASUAL UNIT”
3つユニットのそれぞれに専用のDACが付いており、MAIN UNITにはクロックジェネレーターが、TUBE UNITにはアナログレコードプレーヤーが接続されている。
■ MAIN UNIT
長年のテーマだったクロック導入を実現した、私にとってのリファレンス・システム。
事の始まりは、20年近く前の名古屋に単身赴任時に、オーディオショップのご主人から教えていただいたクロックチューニングの効果、
そして、当時欲しかったステレオシステムが中古で売り出されているのをたまたま発見したことに端を発する。
たまたま住宅ローンの支払が終わったタイミングだったので毎月その支払いに充てていて浮いた分で、2年弱で少しづつ機器を買い揃えた。で、今回のRef-10導入でほぼ完成した。とにかく、音質、定位感、共に"クリア"の一言。いい録音のトリオのジャズなどを聴くと、ベースやピアノの演奏者の指捌きまで感じられる気がする。
■ TUBE UNIT
当時生産中止になっていたタンノイのオートグラフ・ミニがヤフーオークションに出品され、たまたま落札できた。これを機に、真空管アンプとアナログレコードプレーヤーの組み合わせで昔のレコードが聴けるように組み上げたシステム。インシュレーターなどで振動対策をマメに施すことで透明感のある音が聴ける一方、真空管アンプだけどハイレゾにも対応しておりPerfumeの様なテクノポップも難なく鳴らし切るスピードもある。
ちなみにこのアンプは、はんだ付けの練習をした上で自作キットを購入し、自ら製作した。これから、真空管も変えてみて音の違いも楽しんでみようと思っている。
■ CASUAL UNIT
私が自作PCを作り始めた際、ハイレゾ音源をPCで聴けるように、と、最初に導入したミニマムセット。DAC機能を持ったアンプとスピーカーだけで成り立っている。
シンプルなシステムだが、残響の再生も丁寧なハイレゾ音源をシングルコーンのECLIPSEで再生すると机の上で小人が演奏したり歌ったりしている様なリアルさがあり、初めて聴いたときにものすごく感激した。
音も聞いてるし、音楽も聴いている。
映画のタイトルは、‟BILL EVANCE TIME REMEMBERED″ ~ タイトルが表している通り、51才で夭折しながらも依然その完璧なメロディと演奏で存在感を保ち続けている天才作曲家・ピアニストの一生を多くのインタビューや記録映像で構成したドキュメンタリーだ。
ピアノに覆いかぶさるように演奏をするビルの姿を映像で見ていると、鍵盤を弾く彼の指のタッチがいかに繊細で注意深いものかがリアルに感じられ、その緊張感と美しい旋律に引き込まれる。また映画の中で、曲が出来た背景が語られると、楽曲に対する理解やイメージが高まる。ビルの置かれた状況に思いを馳せながら美しい旋律に耳を傾けると、より楽曲に込められたメッセージがリアルに感じられた。~ 私は今、「音楽を聴いている」と、思う。
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映画を観終わって、オーディオショップの試聴会に向かった。
ちなみに今日聴くオーディオセットは、スピーカーがペアで約800万円、
CDトランスポーターが350万円。それに接続されたDACは、何と左右のチャンネルごとに別々に組まれており、これもペアで350万円。
更にモノラルアンプ二台で左右のチャンネルを受け持つ。これもペアで600万円。
この他に当然プリ・アンプやミュージックPCがセットアップされており、それらを含めると優に2,000万円オーバー。このセットが反射板や吸音材でチューンナップされたリスニングルームで鳴らされる。
余裕のパワフル・オーディオセットをあえて抑え目な音量に設定して、ホリー・コール・トリオのシンプルだけどいい録音のジャズのソフトを聴く。 ~ 艶やかな音色。
お客様の中に目が不自由な方が居られ、その方がテネシーワルツ前奏のハーモニカが鳴ると、私の後ろの席で「ため息が出るな~」と囁いた。
試聴会なので同じソフトをSACD、MQA、更に周波数を変えてアップ・サンプリング、アップ・コンバートしたり、最後はDSDまで色々なフォーマットや規格で鳴らして音を聴き比べるのだが、やはりこの方は聴覚が鋭いのか、私の耳では気が付かない聴き取りが出来ている様子。だが、決して眉間にしわを寄せる様な聴き方をしている訳ではなく、極めて気さくにニコニコといい音で音楽を楽しんでらっしゃる。美しい音色で音楽を楽しむ ~ この方はいい音を詳細に聴き分けながら、音楽のハートも感じておられる。その意味では「音も聞いているし、音楽も聴いている」のだ。
レベルの高い再生音を追求することで、例えばビル・エヴァンスの細やかなタッチの再現に近づくことが可能になる。そして、その繊細な音楽表現がよりリアルに感じられる。その意味では、自分が聴いているのが音か音楽かという区分はあまり意味が無いかな、と、考え直した。
2,000万円オーバーのオーディオセットを堪能した後、家でも同じホリー・コール・トリオのテネシー・ワルツを聴いてみた。結構いい感じ。
~ そういえば、初めて我が家でMUTECを導入した際、楽器を繰るミュージシャンの指捌きが感じられて、感動したのを思い出す。今日一日の結果、改めて自分のオーディオ・セットもなかなかのものだなと思える様になった。
音を聞いているのか、音楽を聴いているのか。
オーディオセットをいろいろチューンナップして音楽を聴いていると、ついつい再生音の定位やレンジの広さなどの「音」自体に気持ちが取られる。チューニングの過程でいろいろな音をチェックする様になってきていることもあり、明らかにPCに格納されたライブラリをiPadをリモコン代わりにザッピングする様な聞き方になってきている。これでは、自分は「音」は聞いているが、「音楽」を聴いていると言えるのか・・・と、考え始めた。 ~ アナログレコード全盛の中高生のころ、カビが生えたりしない様に良く洗い乾かした手で袋からレコード盤を取り出し、念入りにホコリを拭き取ってそっと針を落とし、一度聴き始めたら最後までハイファイステレオの前に座って聴いていた。多分、今と比べると音の分離も悪く、応答スピードも不足していて、定位もレンジもあいまいな「モコモコした塊の様な音」を聴いていたと思うのだが、それでも大音量のディープパープルにノリノリだったし、夜小さい音量で聴くカレン・カーペンターの歌声は心にしみた。その時のわたしは、間違いなく「音」ではなく「音楽」を聴いていたと思う。 ~ 明らかに音楽の聴き方のスタンスが変わって来ている。
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お世話になっているオーディオショップから、最新のCDトランスポーターとDACの試聴会の案内メールをもらう。
自分の部屋にこもって、ああでもない、こうでもない、と、ひとりで機器のチューンナップをして聴いていると、どんどん「自分の限定的な知識と好みのバイアス・フィルター」のかかった世界に没入している様に思えてくる。一番いいのは、経験を積んだオーディオ誌の編集者の様な方に自分のオーディオを聴いてもらって客観的な診断してもらう事なのだろうけれど、そういった機会は望むべくもない。以前よりお店から試聴会のお誘いメールをいただいてていたのだが、自分のオーディオ診断をするためには、別のオーディオセットの音を聞いて、自分のと比較するのもいい方法かも、と、思い、初めて初めて参加することにした。
で、である。オーディオの新製品の試聴会は「音を聞く」方のイベントだとすると、「音楽を聴く」の方もしたくなった。うまい具合にビル・エヴァンスの一生を描いたドキュメンタリーが上映されている。
というわけで、梅雨寒の雨の土曜日の朝、まずは映画館に向かった。最初の回の上映は9時半だ。
スピーカー・セッティング 床のガタつき是正
家の床が、集成材ではなく無垢材のフローリングのため、表面がデコボコしている。
スタンドを立ててその上にスピーカーをセッティングしているのだが、この床のデコボコでスピーカーがスタンドごとぐらぐら揺れる。この状況が音にいい訳がない。
当然、ボードを敷いてその上でスタンド附属のスパイクで高さ調整はするものの、一番下の床がデコボコしていては、いくら平滑なボードを敷いてもボードごとグラグラしてしまう。
オーディオショップのノッポの店員さんに相談したところ、ボード下にフェルトを敷くことを勧められた。適度な硬さのあるクッション材、といったカンジのフェルト素材「ミスティック・ホワイト」。通常は壁なんかに貼って反射音の調整に使われる様だが、ボード下に敷くのもいいらしい。
実際スピーカーのガタつきがなくなり、音もクリアでタイトな、はっきりしたものになった。
REF10に高価な投資をしたが、一方、お金をかけないこの程度のことでも音の表情はガラリと変わる。