大河内 敦の裏blog

広告会社に勤める一級建築士のPC自作日記

音を聞いているのか、音楽を聴いているのか。

オーディオセットをいろいろチューンナップして音楽を聴いていると、ついつい再生音の定位やレンジの広さなどの「音」自体に気持ちが取られる。チューニングの過程でいろいろな音をチェックする様になってきていることもあり、明らかにPCに格納されたライブラリをiPadをリモコン代わりにザッピングする様な聞き方になってきている。これでは、自分は「音」は聞いているが、「音楽」を聴いていると言えるのか・・・と、考え始めた。 ~ アナログレコード全盛の中高生のころ、カビが生えたりしない様に良く洗い乾かした手で袋からレコード盤を取り出し、念入りにホコリを拭き取ってそっと針を落とし、一度聴き始めたら最後までハイファイステレオの前に座って聴いていた。多分、今と比べると音の分離も悪く、応答スピードも不足していて、定位もレンジもあいまいな「モコモコした塊の様な音」を聴いていたと思うのだが、それでも大音量のディープパープルにノリノリだったし、夜小さい音量で聴くカレン・カーペンターの歌声は心にしみた。その時のわたしは、間違いなく「音」ではなく「音楽」を聴いていたと思う。 ~ 明らかに音楽の聴き方のスタンスが変わって来ている。
                     
お世話になっているオーディオショップから、最新のCDトランスポーターとDACの試聴会の案内メールをもらう。

自分の部屋にこもって、ああでもない、こうでもない、と、ひとりで機器のチューンナップをして聴いていると、どんどん「自分の限定的な知識と好みのバイアス・フィルター」のかかった世界に没入している様に思えてくる。一番いいのは、経験を積んだオーディオ誌の編集者の様な方に自分のオーディオを聴いてもらって客観的な診断してもらう事なのだろうけれど、そういった機会は望むべくもない。以前よりお店から試聴会のお誘いメールをいただいてていたのだが、自分のオーディオ診断をするためには、別のオーディオセットの音を聞いて、自分のと比較するのもいい方法かも、と、思い、初めて初めて参加することにした。

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で、である。オーディオの新製品の試聴会は「音を聞く」方のイベントだとすると、「音楽を聴く」の方もしたくなった。うまい具合にビル・エヴァンスの一生を描いたドキュメンタリーが上映されている。
というわけで、梅雨寒の雨の土曜日の朝、まずは映画館に向かった。最初の回の上映は9時半だ。

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