XLR-RCA変換ケーブル
システム図にも描いてある様に、(→PCオーディオ現時点のオーディオ環境・まとめ)OPPOのDACから、MARANTZのアンプとトライオードの真空管アンプにつないでいる。もちろん、DACにはRCAの出力ジャックは一系統しかないので、最初はRCAのラインアウトのジャックにその都度聴きたいアンプにつなぎかえていたが、あまりジャックの抜き差しが頻繁なのも気になり(特にトライオードの純性ケーブルはジャックは、しっかりしている分抜き差しに力がいる。なんか、端子が痛みそうで怖い。) 何かいい方法は無いか考えていたところ、OPPOのDACにはRCA出力のほかにXLR出力が一系統あることに気が付いた。
これでXLR-RCA変換ケーブルでMARANTZ側をカバーすることを思いつき、適当なケーブルをアマゾンで調達してしばらく聴いていた。
最初は気にせず聴いていたが、だんだん音がギスギスしている様な気がし始め、ショップのノッポの店員さんに意見を訊いたところ、そもそもXLRジャックの出力電圧はRCAジャックの倍くらいの規格になっており、世の中には変換ケーブルなるものが売られてはいるが、理論的には抵抗を噛ますなどして電圧を下げてあげないといけないもの。もともとDACからアンプに送りこまれる電圧は増幅前なので低い。そのためそのまま聴いていても問題が無い場合も多いが、故障した経験もあるにはある。あまりお勧めできない。
う~ん、音がギスギスするように感じるのは、入力電圧が高いからか?? (あくまで、個人の感想です-笑-。)
真空管アンプ製作 ~ ライン・ケーブルを変える。
一応のシステムアップが完了したが、DACとTRIODEを結んでいるのが、ラックの中に余っていた昔ビデオデッキで使ってたRCAケーブルだった。あんまりなのでちゃんとしたケーブルを買いに、マランツとB&Wのセット購入以来お世話になっているお店に伺う。ノッポの店員さんに「TRIODEがやっと完成した。真空管だけど、思ったよりシャキッとした音だった。」と話すと「あ~、TRIODEはそういう系の音ですね~。」とのこと。「でも、半導体系と真空管系で理想的なシステムが二つできたと思うので、どんどんいろいろ試して聴き比べられればいいと思う。きっと楽しい。お金をかけなくても工夫の余地はいっぱいあるので。」とも。真空管の特徴はひずみにあると思うので、今後はそれに注意してみようと思う、と、話したら嬉しそうにニコニコ頷かれた。
で、ケーブルである。TRIODEの純正ケーブルをお願いした。メーカーからすぐ発送させるとのことだが、他にもいろいろあると。素材が、銅か銀か、より線か単線か。特に気になったのが銀の単線のケーブル。導線と比べると繊細な音になるらしい。試してみたいな。
2日後にうちにケーブルが届いた。
純性だけあって、TRIODEカラーの深い朱色のケーブル。金具もしっかりしている。しっかりしていて、RCAジャックへの抜き挿しに力がいるくらい。 ~ で、肝心の音の方だが、明らかにパワーが上がった。音が大きくなった様にすら感じる。スピーカーに届く音声信号の密度が増えたという事か。
真空管アンプ製作 ~ 電源ケーブルを変える。
せっかくアース線を完備できたので、電源タップも三極のものに変えることにした。~ とにかくしっかりしたものにしたいと、選んだのはオヤイデのマルチパワータップ OCB-1EXS。
かつて私に、クロックチューンについて教えてくれた名古屋のチューンナップショップのご主人が、CDに入っている情報を余すことなくそのまま全てを空気中に解き放つことの意義を力説してらしたことを、ことあるごとに思い出し (→http://likeamiracle.hatenablog.com/entry/2017/07/30/000000) とにかく機器の中を通る電気エネルギーや電気信号が、抵抗なくノビノビとケーブル内を走り抜けられる環境を作りたいと思っている。だから、コードは太く、ラインジャックやコンセントはしっかりと固定できるものにしたい。
このオヤイデのマルチパワータップ、ごつい見かけ通り本体は重量級だが、それに反してコードはしなやかで扱いやすい。使わないときに丸めて置いておくとき、使うときに伸ばすとき、いずれも心地よくさばける。 ~ 力持ちだが気は優しい桃太郎さんの様な電源タップだ。本当に力のあるものはしなやかだ。人間にも言えることか・・・とか、余計なことを考えながらアンプの電源を入れる。
音に透明感が増したように感じた。初めてハイレゾやクロックチューンをした音を聴いたときも感じたことだが、どうも、音はその純度が増すほど存在感がクリアになり、大きな音で聴いてもどこか静かな印象が強くなっていくような気がする。うまく言えないのだけれども。
システムレベルのチューンナップはその効果が飛躍的だが、このあとは、アクセサリーによるチューンナップの世界、小さな変化を注意深く見届けながら、少しづつ前に進むようにしよう。
警告:必ず設地接続を行ってください。その1
オーディオ機器は、アースコンセント付きの三極コンセントのものが多い。このTRIODEもそうだ。電源コードには「警告:必ず設地接続を行ってください。」の注意書きがある。で、つい最近まで私の部屋のコンセントにはアース端子がなかった。
実はゴールデンウィーク前に部屋の換気用の空調ダクトの取り換えがあり、その電気工事を行った際に、ついでにアース付きのコンセントを増設してもらっていた。 ~ もちろん、今回の真空管アンプ製作の準備としてだ。普通、事後的に部屋にアースを増設するには、屋外や金属製の水道管から接地を取り、コンセントまでの間は線を壁にはわせる不格好なものになりがちだが、部屋にエアコンがある場合その壁内には必ずアース線が走っている。エアコンには接地接続が必要だからだ。で、エアコンのすぐ横にアース付きのコンセントを増設をお願いしたところ、工事はすぐ済んだ。
増設してもらったアースにテスターを差し込み、電圧を測る。
左側は 102.6V、右側で 0.174V。ちゃんとアースは取れている。(アレ? でもなんか、極性が逆の様な・・・ これについては後日検証することに。)
少し電気屋さんに分けてもらったアース線をアースジャックにつなぎ、再度音を聴く。こころなしか、音に透明感が増したように感じた。
更に、AMAZONで追加のアースケーブル10mを購入し、自作PCをはじめ今までアースが取れていなかった機器も全て結線した。アースループという問題もあるそうだが、とにかく、機器電源のマイナス側を”nearly±0V”に揃えることにこだわった。
とにかく機械系はそろったので、これからこのアース線のような、ケーブル、インシュレーターなどの再生環境を整えていくことにしよう。
PCオーディオ 現時点のオーディオ環境・まとめ
アナログ主体で使用するつもりで、TRIODEとTANNOYのシステムを組んだが、真空管アンプとはいえハイレゾ対応なので、当然PCオーディオとしても使用する。と、言うわけで、従来のデスクトップオーディオと、MARANTZとB&Wのセットを合わせて、私の部屋には、自作PCと繋がった都合3つのオーディオセットが出来た事になる。
今後さらにいい音を目指し、いろいろチューンナップを進めて、アクセサリーなどもいろいろ試してみて、研究・記録していきたいのだが、その前に現状のシステムのまとめをしておきたい。
デジタル音源がストレージされた自作PCから、USB経由で出力されたデジタル音声データは、先ず、サンプリング周波数をより高くリ・クロックしてくれるマスタークロックジェネレーター・MUTEC MC3+USBを経由して同軸ケーブルと光ケーブルのふた通りに分岐・送出される。
・同軸ケーブルはデスクトップのNUFORCEのコンパクトなDACアンプにIN
・減衰の少ない光ケーブルは少し離れたところにあるOPPO Sonica DACに入る。
同軸ケーブルでつながれたNUFORCEとECLIPSEのシステムは、私のPCオーディオデビューになったカジュアルなデスクトップオーディオシステム。初めて自作PCとこのシステムをつないで鳴らしたときは、その定位のクリアさにびっくり。残響の再生も丁寧な分、音空間の彫りが深くなった。ECLIPSEも小さい図体で、キレのある低音をしっかり出してくれる。 ~ 私のオーディオのバージョンアップはここから始まった。MUTECのマスタークロックジェネレーターを導入したことで、その再生音の彫りの深さには磨きがかかっている。(ただし、クロック周波数9,400kHzまでしか対応していないので、MUTECの最大スペックの再生までは及ばない。)
OPPOには、たまたまRCAとXLRの二系統のオーディオアウトジャックがあるので、RCA-RCAケーブルでTRIODEとつなぎ、XLR-RCA変換ケーブルでMARANTZとつないでいる。(ちなみに、XLR-RCA変換ケーブルを使うと、音が変わる。この件はまた改めて。ちなみによくなるという人がいるが私はあまり好きでない、ので考え直さなければ、とも思っている最中。)こちらは当然、MUTECのクロック周波数の最大スペック24ビット198,000kHzまで対応できる。
TRIODE側は、一旦、フォノイコライザ付プリアンプ TRK-1に入り、更にプリメインアンプのTRK-300経由で、TANNOYを鳴らす。TRK-1にはフォノイコライザが付いているから、当然、アナログプレーヤーがつながる。15年来の付き合いになるテクニクスの定番ダイレクトドライブ式アナログプレーヤー・SL-1200。MCカートリッジにも対応できる。
MARANTZ側は、このアンプにベストマッチングと言われているB&Wのスピーカーがつながっている。(これは、運命の出会いを果たした私のラスト・リファレンス・システムになる予定。)
真空管アンプ製作 ~ めでたく、音出し。
めでたく、音出しである。
で第一印象は、いわゆる真空管アンプの音と聞いてイメージするものとはかなり違って、非常にクリアでスピードの追随性も申し分ないレベルだ。MUTECでクロックチューンした音源を使用していることもあるからかもしれないが、Perfumeの様なテクノポップサウンドにも、何の不安もなく追随して鳴らしきる。もちろん、真空管アンプ特有の心地よい軽いひずみも音の背後に感じられる。
次にアナログレコードである。もちろんこちらではMUTECは介在しない、~ 純粋にアナログソースをMCカートリッジで拾い、真空管アンプを通して、タンノイのオートグラフミニで鳴らすという、私にとっては理想のアナログシステム。聴くのは、以前、MARANTZ ✕ B&W のシステムが出来上がったときにリファレンスで使った、中原理恵の"KILLING ME"。
前にも書いたが、このアルバムは70年代末~80年代初頭・バブル前夜の東京の刹那的な空気感がよく出ていて気に入っており、いまだによく聴く。松本隆・筒美京平による昭和歌謡へのオマージュ的なものとシティー派ポップスが共存しており、後者にはブレイク直前の山下達郎・吉田美奈子による楽曲もある。音の方も通常のドラム・ベース・ギター・キーボードといったバンド構成に加え、ハーブやピアノ、ホーン、ドラマチックなスパニッシュギターやゴージャスなオーケストラの音も入っており、音のバリエーション的にはテスト再生にはピッタリだ。演奏者に若き日の坂本龍一も参加している。
で、肝心の音の方だが、クリアで透明感のありスピードの追随性が高いのは、アナログレコードでも同じだった。 ~ 音の分離が極めて良い。多くの気が付いていなかった音が発見された。
自分が中学・高校の時に聴いていたソリッドステートアンプ搭載のステレオ・東芝ボストンの方が余程音がモコモコしていたと思う。真空管とはいえ、ハイレゾ対応のアンプ。時代は進んでいるのだ。
真空管アンプ製作<TRK-1編>~ あっさりと解決。
ゴールデンウィークということで、翌日に中学の同級生が二人遊びに来た。1人は小学校も同じでもう半世紀の付き合いとなる。二人とも音楽好きなので、MUTECのシステムをムリヤリ聴かせて散々自慢してあげた。家族以外に聴かせるのは初めてだったのだが、自分が期待していたほどビックリもしてくれなかった。~ まぁ、私の場合こういう事は多い。密室のなか一人で一喜一憂しながら組み上げたシステム、本人はコーフンしているのだが。人となかなか共有できない一人の世界が出来上がっていることを、今更ながら考えさせられた。
その日の夜は街に繰り出し、うまいものを食べ、終電を気にせずカラオケで散々歌い倒しホテルに泊まって、翌朝はピーカン晴れ、行楽の家族連れで満員の電車に揺られて帰宅してから、部屋の窓を全開にしてまたTRK-1のチェックを始めた。
今回は左チャネルからは正常に音が出ているわけなので、真空管ソケット回りの端子やジャンパー線にかかる電圧を、右と左で大きな違いがないか比較していくカンジでチェックを進めればよい。 ~ そうしていると、コンデンサまわりが右と左でバランスが良くない。よくよく見ると左のリード線にハンダ付けが甘い場所が見つかる。
ハンダ付けが甘いだけで端子とコンデンサのリード線はつながっているので、これが原因とは断定できなかったが、とりあえずしっかりハンダを付けなおしてみると、あっさり音が出た。 ~ すばらしい。
これでひとまず、このゴールデンウィークの最大目標だった真空管アンプの完成が達成できた。