大河内 敦の裏blog

広告会社に勤める一級建築士のPC自作日記

名古屋のオーディオチューンナップショップ再訪 その2

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名古屋に到着、昔、名古屋に出張したら泊っていた栄の定宿に荷物を預けて、日が暮れないうちにオーディオショップに向かう。

久しぶりなので、道に迷いながら汗だくになり、なんとかお店の前に到着。しかし、シャッターが閉まっている。やはり、閉店? ~ ガレージらしきところで夕涼みしていらっしゃるご婦人を発見。話しかけてみると、ご主人の奥様とのこと。

12年前に一度伺い非常に感銘を受けたこと。当時お金がなくて買うことが出来なかったこと、今月住宅ローンを完済したので、出来れば商品を購入させてもらいたくて関西から伺った事などを説明。

奥様のお話では、ご主人は数年前に命にかかわる大病をなさり、高度医療を含めて3度の手術を経て、元気にはしているが今も病院に通いながらリハビリが必要な状態らしい。奥様は、そのまま帰すのも心苦しいと思ってくださったのか、もう何年も開けてないお店のシャッターを開けて、ご主人に面会させてくれ、お店の中を見せてくれた。

ご主人は両足でしっかり立ち、あいかわらずにこやかな表情でお話しいただき、全然変わりなくお元気に見えるのだが、実際、今までの様に仕事が出来る状態では無いとのこと。そして、薄暗いお店の中には、試聴室も、そして、私が欲しかったマランツとB&Wのコンポーネントもそのまま展示されていた。昔伺ったときに、持ち込んだCDを聴かせてもらいうっとりしていると、ご主人が「この仕事、お客さんが勝手に機械操作して勝手に音聴いて、勝手に納得してくれるから楽な商売だ。」と言ってらしたのを思い出す。ご主人が倒れられ、奥様はそれまで入っている注文をキャンセル・返金して廻り、出来るだけそのままの状態でお店を保管しているとのこと。今は静かに暮らしていらっしゃる様子が感じられた。

突然の来訪にお詫びを言い、面会のお礼を言い、お店を後にした駅までの帰り道涙が出そうになった。時間は公平で残酷だ。優秀な技術者のその腕も取り上げてしまう。

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オーディオにクロックチューンを施せば、あの12年前の音に近づけるのか。でも、一体どうすればいいのだろうか?また勉強と試行錯誤。